Masoch's Diary
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風俗資料館のWebページで調べたところ、私が初めて買った『SMセレクト』 が昭和47年の8月号だということがわかりました。 「馬に濡れる冷嬢(令嬢の 誤り?)」というM小説があったのを忘れていたことに気が付きました。確か軽井沢かどこか の別荘が舞台で、会社社長の娘が、自分に言い 寄ってくる高慢な男を調教して奴隷にするという 内容でした。轡を噛まされた全裸の男に娘がまた がっている様子を描いた挿絵のことを思い出しました。 この号にはS女性とM女性のカップルの プレイを描いた小説が1つあったことを記憶して いたのですが、タイトルは「牝奴隷一号」だった ということがわかりました。 レズのM女性の手記の形で、 京都か大阪に住むご主人様に呼び出され、新幹線で上京した
ところ、ご主人様の友人であるS男性を紹介され、 彼に貸し出されて調教されるという話。レズの M女性がS男性に貸し出されるというのは随分 気の毒な話なのですが、その東京に行ってから
のプレイよりも、上京する前に女主人によって指示されることがらの方が面白かったです。 それは、 彼らはその後どこかのホテルに行き、その M女は何日も穿き続けて自分の分泌物が 沁み込んだパンティを噛まされた上に猿轡を されて調教されるという話になっていたのです が、この小説は新幹線での移動中の出来事が 中心で、ホテルでのプレイとしては局部を鞭打ち されて女性の分泌液が飛び散ったという以外は ほとんど描写がなかったと思います。 その小説に対応したことになっている カラーのグラビアは、ホテル の室内での調教のシーンでした。M女は手ぬぐいで猿轡をされ、女王様のほうはすらりとしたスタ イルで黒革のパンティとブラジャーを身に着け られ(当時はエナメル製のボンデージというもの はなく、女王様のコスチュームといえば黒革が 普通だったと思います)、男顔というのか、彫りの深い顔立ちの、何かストイックな雰囲気の方でした。私はこのグラビアで、女王様が黒革 のコスチュームを身に着けていらっしゃるのと、 SMプレイで蝋燭が使われているのを初めて 写真で見たのです。また奴隷を縛っている ロープは麻縄でした。 またこの号には「石女(かつては不妊症の女性 をこう呼んで蔑んだのだそうです)受難」という 小説が載っていました。子供を欲しがっている 仲の良い若い夫婦が主人公で、妻の不妊症の ために子宝には恵まれないことがわかったあと、 夫がそのことを理由にいつも週末の夜、妻を 居間のテープルに仰向けに縛り付けて責める という完全にM女物の小説だったのですが、 その中で夫が妻の局部の毛を剃り上げてしま い、翌週産婦人科医の診察を受けさせて恥ず かしい思いをさせるという描写があり、Mが奴隷 の証としてSに剃毛してもらうということがとても お洒落というか素晴らしいことに思えました。 妻も夫の責めを期待して週末はいつも夫 が帰宅する前に玄関の近くの廊下に産婦人科 の診察券をわざと落としておいて「どうせ子供 など生まれる見込みもないのに毛をつるつる に剃られた恥ずかしい所を男の先生に見せて きたのか」とお仕置きの口実にしてもらうという くだりもとても好きでした。 当時『セレクト』誌ではいつも一定の期間ある 特定の女王様が毎月グラビアに登場されて 読者から募集したM男性を相手にプレイをして いたのですが、その時期に女王様を務められて いた方が私にはとても素敵な方に見えたという こともありましたし、また撮影もとても素晴ら しいものだったのです。その女王様はたしか 「ローザ女王様」といって、茶色いロングヘアー の、肌の白い、ハーフのような彫りの深い顔立 ちの、グラマーで大変スタイルの良い方でした。 トップレスのお姿であることも多く、おそらくモデル 出身だったのではないかと思います。まだお若く、 クールなレースクィーン風の女王様という感じで した。もしかしたら本当のS女性ではなかったの かもしれません。コスチュームは大抵黒の革の ボンデージだったと思います。そして撮影は主に 板張りの床の木造の家屋の中で行われていて、 時にはどこか街中のビルの屋上で撮影される こともありましたが、私としては屋内で撮影され た、暗い背景の中で女王様の白い裸身が照明 にくっきりと映えたグラビアがとても好きでした。 プレイの内容は大抵はプリーフ一枚の姿の M男性を麻縄で縛り、白い蝋燭をたっぷりと 浴びせたり、男性の胸や局部をハイヒールで 踏みつけたりするものでした。 当時私は大学生だったのですが、『セレクト』誌 のそのグラビアを見つけ、また過去何ヶ月分か のバックナンバーで同じ女王様のグラビアを 次々と見ていった時には、ジーンズの下で本当 に激しく勃起し、自分がMなのだということを はっきりと自覚しました。もっと早くこのグラビア について知ることが出来れば良かったのにと 残念に思いましたし、またそれまでSMから完全 に離れていた2〜3年のことがとても無駄だった ような気持ちがしたのです。 グラビアの女王様はその後何ヶ月 かのちに「由美子女王様」という方が務められる ようになりました。20代のこの方はどこか渋谷の クラブの女王様で、本当にSMがお好きで女王様を やっていらっしゃるようで、毎月撮影日記を書かれ ていました。ウェーブをかけた黒い髪の、スリム なスタイルの方で、いつも黒の布のブラジャーと パンティーか、黒革のブラジャーとパンティーを身 に着けられていて、トップレスになることはありま せんでした。初めてグラビアに登場された時、 「由美子女王様登場」というタイトルで、麻縄で縛 られて床に転がされた奴隷の体をハイヒールで 踏みつけてカメラを見据えている写真がグラビアの トップで、「これからお前達の面倒を見てやるわ」 と語りかけるような表情がとても印象的でした。 またある月の撮影日記の中で、撮影の前に M男性が何のためらいもなく下着を脱いで全裸 になったその様子に「Mには恥じらいの心が大切 なのにこの男性は恥ずかしい様子を全然見せず にパンツを脱いで・・・MというよりSに見える。 自分の大切な世界を傷つけられたような気が する」と思われて、カメラの人に「ねえ、この人が 射精する瞬間を写真に撮りましょうよ」と提案 されて、男性が女王様の手によって果てる瞬間 を撮影したと書かれていたのがとてもエロチック でした。 他にM男性向けの記事等は 特になかったのですが、小説の執筆者もイラスト 画家もSM界の錚々たる顔ぶれを揃えていて、 当時のSM誌の中ではある種の老舗的な 存在でした。SとかMの違いを超えてSMの好きな 人を惹きつける何かがあったと思います。SM 小説の新人賞ということで小説の公募を行って いたこともありました。 ポケット版だったのが80年代の半ば にA5版になり、また表紙のイラストに胸をはだ けた女性のイラストが使われるようになった後、 秘密めいた感じが薄らいで「SMセレクトらしさ」 が失われてしまったような気がしました。その後 90年頃に同誌は姿を消しましたが、私は当時 再びSMから離れていたためにその間の事情は 知りません。雑誌などに昔のSM誌を回顧する 記事が載る時も『セレクト』誌に特に言及され ることが少ないのは寂しい気がします。 |