spit meさんの作品「レイコとシンジ-砂漠に逝く-」

筆者よりコメント: 戦時中など、極限まで追い込まれた人間は戦友の死肉すら食した、といいます。 飢え、渇きへの恐怖はあらゆる理性のタガを吹き飛ばしてしまいます。 慎治は何を吹き飛ばされるのでしょうか。


<レイコとシンジ-砂漠に逝く-後編>

「さ、こんな変態は放っとこうっと。慎治、安心していいよ。もう私、おしっこ出しちゃったから、慎治には飲ませようと思ってもできないからね。安心した?ね、そうでしょ、慎治?いくら喉が渇いたって、自分の口をトイレにされるなんて、絶対嫌よね?」「は、はい・・・そうです。」慎治は少し、拍子抜けしていた。きっと、玲子は自分におしっこを飲ませようとするに違いない。嫌だと言ったら、散々に鞭打たれるに違いない、自分が耐えられるかどうか、最後まで礼子のおしっこを飲むことを拒否できるかどうか、自信は全くなかった。だが、礼子はあっさりと諦めて矛先を信次に向けてしまった。信次に飲ませた、ということは、もう自分に飲ませることはできない。助かったのかな・・・

「ああ驚いた。本当に信次がおしっこ飲むなんて思わなかったね。」「ほんと。信次があんまりおいしそうに飲むもんだから、なんだかこっちまで喉渇いてきちゃった。玲子、次の遊びの前に私たちもエビアン飲まない?」二人がペットボトルのエビアンを飲みながら話しているのを、慎治はよだれが垂れそうな目で見ていた。の、のみたい、、、一滴でもいいからのみたい、、、だけど、絶対に飲ませてもらえないことは火を見るより明らかだった。だったら、余計なことは言わないほうがいい。夜になったら、飲ませてくれる、と言っていたんだから。少しでも水分を失うようなことはしたくなかった。



だが、礼子が次に発した言葉は慎治の希望を粉々に打ち砕くものだった。「じゃ、二人とも、次の遊びに行くわよ。夏なんだものね。折角白馬まで来たんだし、外にはテニスコートもあるんだから、外でも遊ばなくちゃね。」そ、そと?この炎天下で?水も飲ませてもらえずに?考える暇もなく、慎治たちは外に連れ出された。エアコンが入っている体育館内から一歩外に出た途端、熱気が押し寄せてきた。いくら高原とはいっても、夏の盛りだ。30度は軽くある。慎治はたちまち汗が噴き出てくるのを感じた。

慎治たちはそのまま、テニスコートに連れ出された。晴天続きで土のコートは硬く渇ききっていた。「慎治、この前の合宿で私、とても恥ずかしかったわ。いくらなんでもひ弱すぎるわね。少し体力トレーニングを施してあげるわ。」「え、な、なにを・・・」戸惑う慎治を無視し、礼子は信次に命じ片隅においてあったグラウンドローラーを引きずってこさせると、慎治の両手をローラーの引き手に堅く縛りつけた。「さ、これでいいわ。」ふと見ると、玲子はいつのまにか長方形のコート、その短辺である横ラインの反対側にいた。勿論、愛用の一本鞭を手にして。

「慎治、もうどういう趣向か想像はついてるでしょ?このローラーを引いて、コートを往復でダッシュしてもらうわよ。しっかり走らないと・・・分かってるわね?両サイドには私と玲子がいるんだからね。ちょっとでも遅かったら、鞭が待っているわよ!?」こ、この炎天下で、ダッシュ?しかも重そうなローラーを引きながら?非力な慎治ではローラーは引くのがやっと、走るなんて到底無理そうだった。「そ、そんな・・・ダッシュだなんて、無理だよーーー!!!」慎治の哀願は勿論、無視された。「さあ、慎治、行くわよ!鞭が届く間は容赦なく引っ叩いてやるからね。痛い目に会いたくなかったら、早く私の鞭の間合いから逃げ出すことね!」礼子が腕をしなやかに振るうと同時にビシッと鞭が地面を打った。「レディ・・・GO!」鞭が宙を切り裂き、慎治の背中に襲い掛かった。ビシッ・・・バシッ・・・慎治の背中に鞭がX字を刻み込んだ。「ヒッ、ヒイーーーッ!!!い、いたい、、、はっはしるから、ぶたないで!!!」慎治の悲鳴を無視し、礼子は鞭を振るいつづけた。「ほら!ほら!ほら!早く行かないと背中がどうなっても知らないわよ!ほら!」ビシッと水平に振られた鞭が慎治の体に絡みつき、体の前面にまで届いた先端が慎治の乳首を打った。「ギッギエーー!!!」悲鳴をあげ、慎治は必死で足を前に動かした。と、とにかく早くあっちに行かなくちゃ・・・礼子の鞭の間合いから逃げなくちゃ・・・



だが、礼子の鞭の間合いは優に3Mはあった。ローラーを引きずり、重い足どりの慎治ではなかなか礼子の間合いからは逃げられなかった。軽く10発以上の鞭を受け、漸く慎治が礼子の鞭の間合いから逃れると、もうコートの半分近くまで来ていた。ああ、漸く一息つける・・・だが、それも束の間だった。「慎治、なにスピード落としてるのよ!ダッシュよダッシュ!!」ギョッとして顔を上げると、鞭を構えた玲子が待ち構えていた。「ほら、さっさと来なさい、こっちに来るまでは鞭は待ってあげるから!」テニスコートの短辺は余りに短い。あっという間に慎治は玲子のラインについてしまった。「ほら、さっさとターンして戻る!私の鞭も痛いよ!」言うより早く、玲子が振り下ろした鞭が慎治の肩越しに背中を打ち据えた。バシッ!・・・ギァッ!!!「や、やめて・・・ピシッ!ヒッ!戻るから、すぐ行くから・・・パシッ!ヒエッ!叩かないでえええーーー!!!」慎治の悲鳴に対し、玲子はきちんと返事をしてやった。「アハッ!慎治、喋ってる暇があったら、足をさっさと動かしなよ!ほら!」ビシッ、バシッと乾いた音を響かせ玲子の鞭は意志をもった蛇のように慎治の背中を襲いつづけた。両腕をローラーに固く結び付けられているため、慎治は鞭を全くガードできない。只、ひたすら打たれつづけるだけだった。肩、背中、腰、尻・・・玲子は思う存分、自由自在に慎治を打ち据えた。「ヒッ・・・ヒアッ・・・」慎治は悲鳴をあげつつ漸く玲子の間合いからよろめくように転がり出た。そして、眼前には礼子が待ち構えていた。

「お帰り、慎治。遅かったじゃない!」礼子は早くも鞭を構えていた。「ほら、さっさとUターンしてもう一周よ!」慎治の背中に早くも礼子の鞭が襲い掛かった。「ヒッ!!!ヒアーー!」慎治は悲鳴を上げつつ必死でターンしようとした。一方、礼子たちは時折二人で視線を交わしつつ、意味ありげににやにやと笑みを交わしていた。(あー、手加減して鞭打つっていうのも案外、ストレス貯まるものね。うーっ、思いっきり引っ叩きたい!!!)そう、礼子たちは昨日の手加減抜きの鞭打ちに比べ、かなり力をセーブして鞭を振るっていた。鞭打たれる慎治にとっては痛いことに変わりはないが、それでも未だ、耐えやすい鞭であることは確かだった。玲子が些か欲求不満気味なのは礼子にもよく分かっていた。(駄目よ、玲子、本気だしちゃ。思いっきり引っ叩いたら慎治がさっさと潰れちゃうでしょ?じっくり、たっぷりと走らせなくちゃね。)礼子たちは慎治を限界まで走らせ、たっぷりと汗をかかせるつもりだった。慎治が完全に脱水症状を起こすまで、最後の一滴まで絞り取ってやるつもりだった。「ほら慎治、さっさと走りなさい!たっぷり汗かいて運動しなくちゃ、トレーニングにならないわよ!」慎治を手加減抜きで鞭打ちたいのは礼子もやまやまだったが、ついつい力をこめそうになるのを必死でセーブし、慎治を玲子のサイドへと追い立てた。

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